元システムエンジニアで、現在患者の「いなほ」です。
ブログを始めてもうすぐ1ヶ月になります。
まだGoogleで検索しても余りヒットしませんが、こつこつと投稿していこうと思います。
- あくまで患者本人による体験談、参考情報なのでご注意ください。
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吸入ステロイド薬は何十年も前より発売されています。
しかし、発売当初は余り注目されていなかったのです。
1990年代の吸入ステロイド薬
ぜんそく治療の考えが変わった!
昔(何十年も前)、ぜんそく発作を起こすと発作止めの吸入や注射(点滴)をするか、入院して治療するくらいしかなく(対症療法)、予防という考えはありませんでした。
ところが、1990年代に入って状況が変わります。
ぜんそくは「気道の慢性的な炎症」によるものという考えが、お医者さんの間で認識されてきました。
慢性的な炎症が気道を狭めたりして発作を起こすというものです。
その切り札として吸入ステロイド薬が注目を集めるようになりました。
この吸入薬を発作の有無に関係なく、毎日繰り返し吸入することで、発作が起きなくなるというものです。
当時、発売されていた吸入ステロイド薬は「ベコタイド、アルデシン」でしたが、僕は「ベコタイド50」を3日で1本使い切っていました。
普通の人なら1本で1ヶ月使える吸入薬です。
それでも発作を起こし、何回も救急外来に行ったり入退院を繰り返していました。
新薬の登場
ベコタイドの2倍の効果があると言われる吸入薬が、1990年代に登場しました。
僕が始めて吸入したのは、当時まだ治験段階(発売前に一部の患者を対象にテストを行うもの)でした。
先生方は一般名の一部を取って「フルチカゾン」と呼んでいました。
吸入数日後にピークフロー値が100(リットル/分)近く上がって驚きました。
普通、ピークフローは100落ちることは簡単にあっても、100上げるのは本当に大変なことなのです。
1998年11月「フルタイド ロタディスク」(一般名:フルチカゾンプロピオン酸エステル)が正式に発売されました。
※発売当時の一般名は「プロピオン酸フルチカゾン」だったと思います。
2000年代の吸入ステロイド薬
剤型の多様化
2000年代に入ると、様々な形をした吸入ステロイド薬が発売されます。
フルタイドも発売当初はドライパウダー(粉状)製剤しか選択肢がありませんでしたが、後にエアゾール(ミスト状)製剤も登場しました。
また、他の製薬会社からも同程度の効果がある吸入ステロイド薬が発売されました。
配合剤の登場
そして、2000年代後半になると、「配合剤」と呼ばれる新しいタイプの吸入薬が登場します。
基本は従来の吸入ステロイド薬なのですが、更に「長時間作用型β2刺激薬」という成分が一緒に入っている吸入薬です。
この2つの成分、気管支を広げる効果があるという点では同じかも知れないのですが、プロセスが異なりました。
こうやって振り返ってみると…
僕もいろんな吸入ステロイド薬や配合剤を吸入してきました。
どの吸入薬も長所と短所があるので、自分で実際に使用して確かめるしかありません。
そのため、お勧めというのはありません。
飲み薬も相性があるのですが、吸入ステロイドはもっと相性問題があると感じています。
時として、声を使う職業や趣味を持っている患者に影響が出てしまったときは大変です。
※吸入ステロイド薬は、声がれの副作用が出る場合があります。
フルタイド発売後20年以上経った今でも、フルタイドを上回る効果のある吸入ステロイド薬は出ていない(と思います)
1日1回吸入でOKとか吸入器の形が変わったりというのは、各社から毎年のように出ています。
そして、今でもぜんそく治療の基本は、吸入ステロイド薬か配合剤というのが主流です。
だから吸入薬の選択肢が多いのは良いことだと思っています。
参考サイト:KEGG MEDICUS
参考本:今日の治療薬